てくてくウォーク 日本橋~江戸城址へ

てくてくウォークの街道歩きは、過去9回で江戸五街道(東海道、中山道、甲州街道、奥州街道、日光街道)のさわりを経験したので、10回目の今回は各街道の出発点である日本橋から江戸城址、北の丸公園を経て昭和館までの約5 Kmを歩いた。11月3日(日)文化の日の10時、メトロ半蔵門線三越前駅にベイサイドと多摩・田園からの各1名を含む参加者10名が集結した。半蔵門線三越前駅は日本橋の真下に位置していて、階段を上がると日本橋の東側に、「日本橋魚市場発祥の地」の記念碑が立っており、ここに大正時代まで東京の魚市場があって、関東大地震で焼失したので築地に移転したようである。また、橋の中央に日本の道路網の起点であることを示す日本道路元標が埋め込まれており、そのレプリカが歩道の脇に設置されていた。脇の階段を下りて河畔から橋を見上げると日本橋の美しい姿が目の前にあり、ここは橋を見る絶景スポットだと感じた。

三越横を通って金座跡にある日本銀行付属施設の貨幣博物館で、X線検査と手荷物検査を受けてから入場した。古代から現代までの歴代の硬貨や日本銀行券のほか世界の紙幣も展示されていた。大判・小判や、鋳型から取り出したばかりの銭貨(枝銭)、分銅金、藩札、兌換紙幣など珍しいお金を見ることができた。藩札にも偽造防止のすかしや隠し文字が入れられていたようである。また、千両箱の重さを実感できるコーナーなど遊び心をくすぐる趣向も設けられていた。

貨幣博物館から、途中、新しい1万円札の肖像に決まった渋沢栄一の銅像を見たのちは、ひたすら大手町のビルディング街を進み、大手門で手荷物検査を受けてから江戸城址に入った。

コースのメインとなる江戸城址は、普段は東御苑部分のみが一般公開されているが、生憎、14日~15日に行われる大嘗祭の準備で本丸地域が立入り禁止となっていた。前回の甲州街道ウォーキングでは、トランプ大統領来日のために迎賓館庭園に入れなかったこともあり、国家行事にぶつかることが続いている。大嘗宮は11月21日から12月8日まで一般公開されるようである。今回は三の丸の尚蔵館や、同心番所、百人番所の各番所と二の丸庭園のみが見学できた。江戸城への登城は同心番所、百人番所、大番所の三段の番所によって厳重に警護されていたようである。二の丸公園は小堀遠州が造り、家光が改修した後、明治以降荒廃していたものを、戦後、家重時代の絵図面によって回遊式庭園にしたとのことで、なかなか趣があり、雑木林や各都道府県から寄贈された都道府県の木が植えられていた。神奈川県寄贈の木は東京都とともにイチョウだった。ここで印象的だったのは外国人の多さで、特に欧米人の姿が目に付いた。

北の丸公園内にある武道館は来年のオリンピック準備のため改装中であった。公園内の休憩所はコース中で唯一アルコールが飲める場所で、ここで遅い昼食を摂ったが、缶ビールを求めた人も多かった。

昭和館は戦中・戦後の庶民の暮らしぶりを示すいろいろな資料が展示されていて、疎開生活、防空壕体験、防空頭巾、氷冷蔵庫、米穀通帳、DDT散布、紙芝居など、皆、夫々のコーナーで幼いころの生活を思い出して感慨に耽っていた。昭和天皇の終戦勅語の玉音放送も聞くことができた。

14時半ころに昭和館で解散となったが、大部分の人は近くの靖国神社に参拝し、境内にある東京の桜の開花を示す標準木を確認して、気持ちよい疲れを感じながら帰途についた。

(2019/11 山口安弘 記)

てくてくウォーク
広~い 江戸城址散策 大嘗祭で本丸区域は立ち入り禁止でした!